両爬虫道を往く

博士にもひとかどの生き物屋にもなれなかったおじさんの日記帳 誤同定等ありましたらお気軽にコメントどうぞ

思いを眠りにつかせてサヨナラ…

西表島に行ってきた。


詳しい採集記はヤエマルシーズンが終わってからアップする予定。ヤマネコをはじめ様々な生き物に出会うことが出来、幸せでハードビビットなひと時を過ごすことが出来た。


さて、この遠征で2017年3月から始まった2年半にわたる採集遠征の旅もひとまず終わりを迎えることとなる。


死を覚悟するほど過酷な状況になったこともあるし悔しい思い、悲しい思いも沢山してきたが、素晴らしい時を過ごさせてもらったと断言出来る。


ぼくは大学に入るまでろくにフィールドに出たことがなかった。それゆえ大学で先輩方とのレベルの違いに打ちのめされ、偉大な先輩方に追いつき、研究の世界で一旗あげるにはまずフィールドに出まくるしかない!と思いひたすら採集へ行きまくった(といっても近場ばかりで、本格的に遠出し始めたのは免許を取って以降だ)。


そうしているうちにいつの間にか気づいてしまったのだ。


「自分は研究がしたいわけじゃなく、フィールドに出て素晴らしい生き物たちと真剣勝負し、触れ合いたいだけなのだ」と。


そうして幼稚園のころからの漠然とした夢だった生物の研究者になる、という人生の目的の存在意義が見えなくなり、結果的に夢をあきらめ、夢も目的も見失った焦燥感から目を背けるかのように、人付き合いもろくにせず学問や就職活動もテキトーにこなし、フィールドに行き続けた。


後悔してるかって?それは全然。


このままほかの夢も目的も見つからなかった場合、30歳で人生を終える予定だが、その最期の瞬間によぎるのはこのろくでもないモラトリアム期間のあいだに出会った多種多様な生き物たちの姿だろうから。


…まあ、こんな引退会見みたいなことを書いてるけど、多分来年以降もフィールドには出続けるでしょうね笑


九州で未見の生き物も、関東で見たい生き物もいっぱいいるし!


死ぬまで一生き物好きでいたいですね!!