両爬虫道を往く

博士にもひとかどの生き物屋にもなれなかったおじさんの日記帳 誤同定等ありましたらお気軽にコメントどうぞ

バナナトラップ雑考2023

梅雨明けとともにバナナトラップが大活躍する季節がやってきた。

 

今年ももちろんいろんな場所でバナナ汁にまみれながらヤンヤヤンヤやってるわけだけど、今年は諸般の事情があり今までとは少し違ったやり方でバナトラを作ってみた。

 

上手くいくかは未知数だったが、新規開拓した奄美北部のポイント(無論保護区域外)で3晩トラップ20個でノコmax74.1mm、70upは10数頭、小さいのはその数倍、フタオチョウわんさかだったのでそこそこ上手くいったのかなと。

(クワガタ屋からすれば仕掛けた数もサイズもイモだと笑われそうだが、そもそも虫屋ではないので…苦笑)

 

備忘録と思考の整理がてらつらつらと今のぼくのバナトラ作成法を書いていこうと思う。

もちろんまだまだ試行錯誤の段階なので、数年ごとに備忘録を残して思考の変遷を追っていきたい。

十分なデータが貯まる前に採集がダメになる気がしないまでもないが、まぁ、その時はその時で。

 

 

◎用意するもの

〇必須

・バナナ

・ストッキング(100均で売ってる2足入り100円ので十分、くるぶしまでのじゃなくて長いやつがベター)

☆必要に応じて(上から自分が良く使う順)

・焼酎(25度)

・酢

・ヨーグルト

ドライイースト

・黒砂糖

 

◎作り方

 

①ストッキングにバナナを突っ込む

バナトラの体力と費用面を考えると1つのストッキングにバナナは3つがいいと思う。

2個だと6-7月の南西諸島ではいいとこ2日くらいしか効果がもたない。

ぼくはストッキングのつま先部分までは突っ込まず、ストッキングの真ん中くらいでバナナをとどめておいている。

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②ストッキングの両端を片結び

そこまできつく縛らなくてもよい。
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③もう一度片結び

ここではきつく縛る。
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きつく縛ることで枝先にぶら下げてもほどけない輪っかが出来る。
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このやり方で作ったバナトラがいちばん高所枝先かけが楽と個人的に思う。

長竿にフックをガムテで巻き付けて作った仕掛け棒を使って簡単に地上数mの枝先に引っ掛けられる。

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仕掛け棒。現地で実際に使っている写真がなかったからさっき撮った。

 

実際に高所4-5mくらいにぶら下げた様子@奄美

フタオチョウとアカホシゴマダラが来ている。

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前準備はここまで。

ここから作り方の紹介だけど、現時点で有効だと思ってるのは大きく分けて2パターンある。

 

1つは何もせずこのまま送ってしまう。

実は今回、奄美に行く前に1週間八重山に行っていたため、出発直前に埼玉→奄美へバナトラを送る必要があった。

焼酎とか酢とか突っ込んで発酵させた状態で送って1週間も放置するとバナナが溶けてドロドロになり、バナトラの"体力"が低下した状態で受け取ることになる。かつ液漏れのリスクも高いため、苦肉の策で何もトッピングせずバナナを潰しもせずに送った。

 

のだけれども。

 

現地で発送したダンボールを受け取り開封すると凄まじい発酵臭が鼻をつき、バナナを入れていたコンテナボックス内はバナナ汁で満ち満ちていた。

焼酎かけなくてもイケんじゃね?と思い仕掛けた結果が上記である。

 

要はバナナが発酵さえしていればよくて、トッピングは焼酎でも酢でもナシでもなんでもいいのである。

逆に発酵が進みすぎても良くないので、発送〜仕掛けるまでに期間が空く場合はこれがベターかもしれない。

ちなみに、3日間炎天下の中仕掛けた後回収したが、全く乾燥等しておらずバナナが元気なままだった。

長期遠征で仕掛けっぱなしにも耐えうる素晴らしいレシピかもしれない(レシピといいつつなんも手を加えてないけど)。

 

んで、その他のやり方はお察しの通り、必要に応じて用意するトッピングを適宜加えて液を作った上でバナナを潰して手で液を揉みこむやり方。

 

トッピングの中でも焼酎は必須。

昔読んだ雑誌に書いてあったから何となく加えてるけど、個人的に黒砂糖は大して効果がない気がする…

 

んで、揉み込んだあとは黒い袋に入れて直射日光に半日も当てれば一丁上がりである。

このレシピはすぐ作れて効果抜群で、一昨年奄美南部に仕掛けて数時間で75mmノコ筆頭にクワガタがわんさか来た。

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件の75mm。コイツを採ったポイント(林道)への道は線状降水帯によって土砂で埋まっており今年は行けなかった(涙)

 

ただし、初日からバチバチに効くのと引き換えに、体力がないのがネック。

バナナを潰して発酵を早めた副作用で、仕掛けた翌々日には乾燥して干物みたいになってしまう。

(バナナ汁に漬ければ多少は回復するが、高所がけしたやつで復活の儀式をするのはクソだるい)

短期決戦、もしくは長期遠征の中間あたりでバナトラを現地作成する場合はいいかもしれない。

 

まあ今のところはとりあえずこんな感じで作ってます。

来年はもう少し数を作って新しいレシピも試してみたい。

 

その他、補足事項:

・バナトラを送る際は、トラップを入れた袋をコンテナボックスに入れ、コンテナボックスも袋に入れて液漏れを防ぎながら発送している。

また、ダンボールの下に新聞紙やらダンボールを敷いて、万一液漏れしても底が抜けないよう対策を施してある。

…ここまでしても漏れることがあるんだよなぁ…

魚とか入れてる発泡スチロールの箱(正式名称がわからん)とかだと液漏れしなくていいかもしれない。

 

・発送はゆうパックがいちばん安いが、受け取り可能な時間が短いので面倒(レンタカー屋やホテルに送らず、局留めにして受け取る場合)。

ヤマトの営業所がある地域に行く場合は、多少値が張るがヤマトで送っている。

発送料金はバナトラ20個1セットで2,000円くらい(埼玉→奄美の例)。

 

 

それと1番大切なこと。

仕掛けたトラップの回収はしっかりしましょうね。

 

以上です。