両爬虫道を往く

博士にもひとかどの生き物屋にもなれなかったおじさんの日記帳 誤同定等ありましたらお気軽にコメントどうぞ

例えば休みを失うとしても 突撃しなくちゃ 晴れ間だから

北関東、好き。

 

特に群馬・栃木・福島の県境ら辺はとてもいい。いい虫がたくさん採れるし、何より家から近い。しかも道路はほぼ混まないからストレスフリーで行ける。

 

最高です。

 

そんな最高な場所で、サイコーにアツい九州未生息のカミキリがこの時期採れるという。

かねてからヤツは欲しい欲しいと思っていたが、一昨年はアサカミキリを狙ってはふられを繰り返し、去年は…天気がよろしくなかったのと奄美行ってたから結局採らずじまいであった。

 

だけど今年は行くぞ!ちょうど日曜晴れみたいだし!

ということで土曜出勤のち車を借りて直行。

 

雨が降ればハコネサンショウウオが林道を歩いているという話だったが、路面が濡れていなかったのでヌル。

適当なところで車中泊、としたが標高が高すぎて6月なのに上着を着ても寒くて目が覚めてろくに眠れなかった。

日が昇ってから2-3時間は眠れたが、寝袋を持ってくればよかったと後悔…

 

まずはその辺をふらふらしていると、白い花が。

何の花かはわかるわけもないが、似ていたのでナナカマドということにして掬ってみる。

例のカミキリはナナカマドの花掬いで採れるとの話も聞いていたが、もちろんヌル。そんな甘くねぇか。

 

眠気からか一瞬ヨコヤマトラだと思ってぎくりとしたマツシタトラくらいしか入らず。

そろそろメガネの新調を検討すべきか。

 

歩き回っているとほんのり暑くなってきたため林内へ。

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白骨化しているが、程よく皮膚(樹皮)が残っているような立ち枯れがいいらしい、のでそういった木を中心に探していく。

と、

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おぉ。

 

何故かこれを見て「ヤツだ…なんか思ってたよりすっとぼけた虫だな。あとなんか似たやつをどっかで見たような…」みたいに知覚した。

 

おんなじようなムシは周りを探すとぽつぽつ見つかる。あれ、こんな虫でこんな採れるもんだっけ?

 

連勤と寝不足で回らない頭で首をひねりながら立ち枯れを見て回っていると、視線がとある一点に吸い寄せられる。

 

今まで立ち枯れについていたカミキリとは比較にならないほど大きくてガタイが良くて、気品が溢れ出ているカミキリがわたわたと歩いている。

 

反射的に手を伸ばす。

 

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全てを理解した。

こいつこそが今回の真のターゲット、アラメハナカミキリだ!!!

 

と、同時に頭が急回転し、今まで毒ビンに入れていたカミキリの名前も思い出す。

ラギウムだ!

 

2018年の年末に採って以来だから3年半ぶりくらい?

あの時とは別種(今回のはおそらくハイイロハナカミキリ Rhagium japonicum Bates, 1884 かな)だし、japonicumは九州にいないのでいいむしってことで。

 

ラギウム=冬のアカマツ樹皮下って固定観念があったから正体がわからなかったな。まだまだだ。

 

んで、調子こいてアラメハナの追加を探すもヌル。

網置いて歩いてたら高いとこにいるオスをロストした

 

そういえばと思い立って枯れ沢で石起こしをするもオオズなぞ採れず(当然)、天気が悪くなったので午後になったあたりで撤退。

帰り道はそこそこ雨が降っていた。

 

時間があったので東大宮の爬虫類ショップに行き、とある種を回収。

家に荷物を置いて車を返し、サイゼリヤで優雅に祝杯をあげた。

 

そこそこいい思いは出来たが、アラメハナはまだまだ採り足りないっす。

 

山梨方面のポイントでも行くかな。あそこは近くで別のカミキリも採れることだし。

 

 

 

 

遠く

全世界的にUFOの日こと6月24日が今年も近づいてきた。

 

このクッソくだらない人生の岐路はどこかと問われたなら、聖書、「イリヤの空、UFOの夏」を中学2年生の夏休みに読んだことだと断言できる。

あの時期にあの”おかしくて切なくて、どこか懐かしいボーイ・ミーツ・ガール”を読むことは、「ドグラ・マグラ」よろしく精神に異常をきたす行為であるといえる(ドグラ・マグラを読んだことはないのだが)。

 

UFOの夏が”終わった”あの日から、淡々と流れる無価値な日常にある日突然誰かが、何かが現れ、ボーイ・ミーツ・ガール(別にガールでなくったってよかったのだ)の主体として、セカイを向こうに回して戦って死ぬもんだと本気で思い込んだ。その偏執的な願望こそが、自分の意味だった。

どこにも存在しえない”懐かしさ”を勝ち取り、守り抜くため、自己研鑽と称して喘息もちだというのに駅伝部に入ってランニングしたり河川敷で木刀を振ったりもした。

 

14歳、中学3年生の秋、自分のもとに夏が来ない事を知ったあの日に一度死んだのだと思う。

死んだように生きた2年間の高校生活と1年間の無職期間を経てたどり着いた大学生活も所詮は”輝かしい余生”であり、労働を始めてからは輝きすら失われ、辛うじてあった生の実感は一切ない。

 

毎年6月24日は聖書を読み返しているのだが、年々下らなさを増していく現実とのギャップを受け入れることがしんどくなってきている。

…今年も読み返すつもりだけれども。「無銭飲食列伝」以降はどうしようか。つらいなあ。

 

 

 

先日は九州へ。

阿蘇はド強風だったのでムナコブはおらず。

毎度のことながら阿蘇大隅との相性が悪すぎる。雨くらいなら許容範囲だが、強風やら台風が来るもんだからお話にならない。

 

鹿児島方面に転戦すると清々しいほど晴れたのでマイポイントへ。

 



ムラサキアオカミキリ。

 

たくさんいたが立地上網を振り回しづらいので樹幹で1オス、木取りで1メス(ほんとに?)

 

まあ最低限来た甲斐はあったかな…という感じ。


資さんうどん

これ食ってる時が1番九州に来てよかったと思ったよね。

やえやまにいきました。

すばらしいむしやへびにであうことはありませんでしたが、いくつかゆうりょくそうなぽいんとをしんきかいたくできたのでそこはよかったです。

らいねんきせいがはいったらどうなるかはわかりませんが、はいらなかったらろくがつちゅうじゅんにいこうとおもいます。おわり

優雅な

気候が夏めいてきたからだろうか、最近第何次かのZONEマイブームが来てる。

夏休みの13時半からのキッズウォー観てたおじいさんにとっては夏の象徴みたいなもん。

Secret base 〜君がくれたもの〜 と言えばあの花じゃねえんで井上真央たい!茜と翼っちゃけど!(怒)

 

という訳で最近はずっとiPhoneでアルバムを適当にシャッフルして流れてきた曲に合わせて20年くらい暖めてきたマイ・キャラクターたちが動き回るopアニメやedアニメを空想しながら作業してる。

とても楽しいです。

 

直近の土曜は千葉東部へ。

ほんとは山梨に行く予定だったけどあんま天気が良くなさそうだったので行き先を変更したけど、精神的な疲労は山梨行きより溜まりますね…

 

この時期の千葉東部なんて目的はただ1つ、マキを眺めるのみ…

 

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天気があまりよろしくなかったのと枯れ木か人んちの生垣なマキしかほぼ見つけられなかっりとしょうもない感じだったが、どうにかケブカトラのペアを揃えられた。

(夢中で毒瓶に入れたので写真はない)

 

カッコいいカミキリではあるが、いかんせん生息地が遠いので来年行くかは微妙だな…

追加が欲しい気持ちは大いにあるが。

 

ペアを揃えたのとタコ採れポイントが見つかりそうにもなかったので昼過ぎに離脱。

草加のかねだいで用品を買って優雅に車を返し、日曜はシンウルトラマンを観た。

 

非常に文化的で優雅な週末を過ごすことが出来た。山梨行ってたらこうはなってなかっただろう。

 

燃え上がった虫屋の想い 空に届いて!

GWは(も)沖縄に行った。

前半は西表、後半は石垣という予定だったのだけど、雨が強かったり弱かったりで増水し渡渉が出来なかったり発生木が濡れていたりで西表の方の本命(紅い☆)はヌル。まあそんなもんか。

社会のマダニ(虫屋)の怨嗟の声がSNSや現地から聞こえて笑った。

 

彼らの願いが通じたのか西表滞在の最後の日だけ辛うじて晴れて(昼の船で石垣へ渡るので登山は出来なかったが)、生き残りのヤンバルアワブキでヤエヤマモモブトコバネを落としたのが唯一の虫の成果。

紅いのも…まぁ他の入林したどなたかは採れたんじゃないの。分からないけどさ。

 

雨が降って虫が採れんのなら両爬や!ということで島内一周路やら農道を巡ったりもしたがなんというか西表あるあるなすっとぼけた感じの成果。


最大の成果はこれ。



サキシマアオヘビ。

いつも通りマダラかぁ~?と思いつつ窓開けて見つめたら雰囲気が全然違うこやつがいてびっくり。

 

西表は両手に余るほど訪れているが初めて見たな、と思いググったらかなり珍しいものらしい。

…まぁ、どうせなら未見種の方が…とは言わないでおこう。

西表はヘビの個体数は多いけど7割5分マダラ、2割4分サキシマハブで、他のヘビってあんま見れない。個人的な目撃回数はヒバァ3回、スジオ1回と今回のサキシマアオヘビのみだ。

雨降るウェットな原生林に突撃してないだけだろとか言ってはいけない

 

ちなみにあほみたいなところに転がっていた、ので同じところでは二度と見れないだろう。

そのほかには、

かめ。写真は撮れない。

雨でロードキルされたカエルをぱくつくマダラ。同様の光景は1晩に2-3回見た。

 

その他は、


かんむりわし。

逆光だったから彩度をバチバチにいじくってるのは内緒だ!

 電柱にカラスカラスカラスハトカラスカンムリワシ!みたいな感じでよく見る。


その他の鳥では猛スピードで道路を横切るアカショウビンを見れたのが個人的には何倍も嬉しかった。

西表のカンムリワシシロハラクイナと同カテゴリーの普通種!普通種です!

 

また、写真はないがユツン付近にヤマネコがいた。これで目撃は7回目か。

登山用?の駐車場的な広場に何の気なしに突っ込んだら佇んでいてびっくり(もはや感動はない)。写真を撮らせてほしい。

 

 

西表はこんなもん。まぁ、来たかいあったかなレベル。

 

石垣の方は天気が良かったので、炎天下の下ひたすらカラムシを見て回る。

最近はカラムシなんて狩られて全く生えていないとの話だったがそれなりに見つかる。でも憧れの君はどこにもいない。

日をまたいで車を返す1時間前にやっと発見。

 


カタモンビロウドカミキリ。

 

見つけた瞬間、なぜ今まで見つけられなかったか、どれだけ頓珍漢な探し方をしていたのかが一発で分かった。

(悔しいし考えてみれば当たり前のことなのでどういう探し方なのかの明記はしないが…)

 

初めて見たがすげぇいいカミキリ。煽りぬきにべニボシよりいいカミキリだと思う。

奄美でフェリベニ見てるから決して負け惜しみではないですy…

 

その他、ビーティングしたりライトしたり林道流したりしたが特筆すべき成果はなし。

ブーメ採ったのとライト雨天決行の見込みが立ったくらい。

 

5月末にもっかい八重山行くからモチベーションがあまり高くなく、ロケハンメインだった。

(ライトのことを考えると5月末の方がいっぱい楽しい)

 

んでたった一晩に賭けるべく飛行機で北上して沖縄本島、約束の地へ。


結論から言うと、賭けには負けました。


ゆいゆい国頭あたりは乾燥でぱっさぱさだったのに北上するとドカ雨で非常にやりにくかった。爬虫類がいねえでやんの。

見たのは、

 

ほるすと。

なみえ。

邪道林道流し偏愛おじさんの私見だがGWだと路上にいっぱいいる。イシカワは路上だと2月がピークで3月末くらいにはほとんど見れなくなる。



 そしてまぁ、過去10年のQ大生研の全部員…いや全Q大生の中でも並ぶものがない哺乳類の引きの強さを持ったワテクシがこいつを見れない訳もなく…



けながねずみ。

なんでか今回はいっぱいいたし、写真を撮らせてくれたのでよかった。

尻尾の先が写ってないのはまぁアレですが…

 

以上です。

 

 

 

 

 

 

ろくなもんじゃねえ

ここ1ヶ月、とんでもない目に合い続けた…

 

ことの始まりは3月末、残業中にサボってクッキードカ食いしてたら破片で口の奥をザックり切ってしまった。どんくらいかと言うと夜寝てて血の味で目が覚めるレベル。

んで隕石の落下跡みたいな巨大な口内炎が口の上部に出来たせいで2週間くらい痛くてロクに食いもんが食えず。実は遠征行ったけど寒いわ雨だわで何も採れず、美味いもんも食えずでボロボロに打ちのめされた。

その翌週、やっと口内炎が好転したと思いきや委細は書かないがとんでもなくメンタルにくる事があり、1週間かけて自分の中である程度消化できたと思ったら悪寒と倦怠感でまともに動けなくなり(本気でメンタル要因で体調ぶっ壊したと思った)、発熱したため病院行ったらコロナ陽性が判明し(ヨダレ垂らすやつじゃないガチのPCR検査を受けて死ぬかと思った)日曜まで自宅軟禁である…

 

後厄ってろくなもんじゃねえっすね(白目)

 

 

 

だって 時期読めもしないクセに 強がって「弾丸遠征」 なんて

先週金曜の夜に車を借りて一路東へ。

里山環境でヤツを探す。

1つめのポイントはなんでかダメダメだったが、日付が変わる頃訪れた2つめでビンゴ。

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ポイント選定は間違っていなかったが時期を思いっきり読み違えて成体は1匹のみ。

このポイントは2月頭が最盛期らしいね。

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まあ、居ることはわかったのでまた来年以降。


個人的にだが、夜の過疎った里山環境は西表の原生林より歩くのが嫌だったりする。

地元民と揉めるのも避けたいし、あと「巨頭オ」とか読んでめっちゃ怖い。人間の因習に起因する変なものに出くわしたくない気持ちが恐怖心を増幅する、気がする。


あとこの日はなぜかピンポイントで降雨&激寒で泣きそうになった。車中泊しても寒くて30分で目が覚めるレベル。