西表でマルバネと遊んで帰ってきた後、研究しながらずっと最後の長期休みについて考えていた。
卒業旅行は海外(台湾かマレーシアかタイあたり)に行きたいなーとぼんやり思っていた、ので同行者を募ったが、やれ金がないだ学会があるだお前とは行きたくないだのと全く人が集まらなかった。ので断念した(いまの社会情勢を見ると正解だったようだが)。
ひとりで海外はムリ、じゃあ国内かということで知床にでも行こうと思ったが道路がヤバそうだったのでパス、必然的に南に行きましょう、ということになった。
期間は3/10-25,計6つの島をめぐる計画を立てた。狙いはトカゲモドキ、カエル、ヘビだ!
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3/10
何も無くなった家を飛び出して福岡空港へ。
いつもの通り名護のマクバで物資を調達しようとすると、
改装工事
マジっすか…萎える…
さあ、気を取り直して出発だ!
やんばるだ!
まずはハブがよく出る林道へ。
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次はハイをはじめ一番戦績がいい道路だ!
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ナニコレなんもいないんですが…
原因は那覇空港に降り立った時にうすうす気づいていた。でも気づかないふりをしてた。
寒い
15度ってお前…ヘビいねぇよ、うん。
萎えたがしょうがない、ヘビがいないならカエルに切り替えましょうね、ということでとりあえず行けば必ずオキナワイシカワガエルが居るポイントへ。
沢を登る…
ほらいた
ピンぼけだしもう少し近づくか…
逃げられましたね…滝の水冷たいね…
何もいない原生林をさまよっているうちにMPが尽きたので日付が変わったあたりでダムの駐車場に車を停めて寝た。
最初は寝袋を使わなかったために寒さで深夜3時にうなされて起きる羽目になった。そらアカマタだって出ねえわ
3/11
この日も気温があんまり…だったので名護へ。新しく出来た快活CLUBの下見をしていたらついつい長居してしまった。当然といえば当然だが国際通りとかの店舗より安い!最高!です!
あとかの有名なタコライス屋(?)であるジャンバルターコーへも行った。
先に予告しておくが、今回はいつもよりおいしいものを沢山食べた、のでこういった情報がメインになる(メシくらいいいもの食べないと心が折れそうだった)。この言葉で成果の方は察してください
名護でナンヤカンヤして遊んでいると夜が来たのでやんばるへ。今夜の目的は2017年3月以降見てない奴だ!
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やんばる三大カエル(オキナワイシカワガエル、ホルストガエル、ナミエガエル)の中でいちばん見やすいのはオキナワイシカワ(繁殖期に沢登ればわんさか)、次点でホルスト(わりと路上に出てくる)、越えられない壁があってナミエ(どこにおんねん)、だと思う(春は2-3月にしかやんばるに行かない山登りきらい林道流し好きの根性なしのおじいさんの主観です)。
内定先の繁忙期を鑑みるに(3年は)春にやんばるなんて行けないだろうし、ここでナミエガエルを見ておかないと一生後悔しそうだ。
気合い入れて沢のぼるぞ!
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迷路のような道を抜け、斜面を滑り降りるようにしてカエルたちが待つ沢へ。
さあ、藪漕ぎ沢登り頑張るぞい!…と、
ナミエガエル
あら、こんばんわ。
登る前に見つけちゃったよ…あっさりだよ…なんか気が抜ける…
とはいえこやつは亜成体だったので成体を見つけるぞ!と己を鼓舞し頑張ったが、どんどん切り立っていく沢に心折られていき、1時間ほどで引き返した。
ここの沢はいちおう林道が近いから遭難することは無いと思う(ただし昔いろんな先輩がひどい目に遭っている)が、まあリスクを回避するに越したことはないだろう。もう遭難しても野山をかき分け滝をよじ登って強引にエスケープできるほど若くないのだから。
この日の林道流しもカスでした。ドライブだなもうこれ。
ひめはぶ。春はアカマタよりこいつの方が裏切らないでいてくれる気がする。
3/12
朝(といっても8時過ぎ)起きてヤマガメ探し。
地図上では点線の道から沢に容易にアクセス出来そうだったので、現地に行ったら道が草で埋もれていた。
草をかき分けて沢に行ったが、うん。いないね…ダニはズボンにいたけどね…
マングースロードをとぼとぼ引き返すと11時だったので街へ。この日は波止場食堂のポークたまご。
相変わらず美味しかったが、なんか初めて来たときより量が少なくなっているような…
朝ごはんを食べてないからか、はたまた通って慣れたからそう見えるんだろうか。
この日も何のかんのしてた(ノグチゲラはいた、両爬はどこにもいない)ら夜が来た、ので林道流し。
この日の目標種はクロイワトカゲモドキとした。
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国産Goniurosaurusとぼくとの戦績は以下の通りである。
2017/3 イヘヤ勝利、北部クロイワ敗北、南部クロイワ勝利
2017/9 北部クロイワ勝利
2018/3 北部クロイワ敗北、クメ大勝利、マダラ敗北
2018/9 オビ勝利
2019/2 北部クロイワ敗北
2019/7 北部クロイワ敗北
2019/8 ケラマ勝利
幾多の戦いのことを思い出すと、この属の観察におけるコツとしては、
・日没時点で気温が20度あれば容易に観察可能
・雨が降るとあまり出てこない
というのが共通してあると思う(寒くても砂防ダムから山頂までよじ登るとか無茶苦茶疲れることをすれば見れないことはない)。
好適環境についてはまあ色々思うところはあるが、ここでいうのもアレなので渡名喜でマダラを見たらQ大生研の部誌にでも寄稿しようと思う。
とまあとにかく、ゴニを見るなら気温が低くてはお話にならないのだ…
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日没時点での気温は17度、ということで見れる可能性はかなり低いが他にやることがないからしょうがない。心当たりのあるポイントをめぐる。
2017年9月に見たポイント→いないね
ジモティーオススメポイント→いません
じゃあもっと北上するしかないなあ…ということで奥方面へ。
某氏が7年前?にクロイワを見たポイントが北北部(注:ぼくはゆいゆい国頭以南を本島北南部、辺野喜ダム辺りまでを北中部、それより北を北北部と勝手に呼んでいる)にあったよなあ、とぼんやり覚えていたためだ。
やんばるは意外とバカ広いのでひたすら走る。
1時間ほど走っていると(林道流しなので時速20km/h程度で走っている)、なかなか良さげなポイントが。
降りる。眺める。
クロイワトカゲモドキ
お久しぶり(といっても半年前に渡嘉敷でケラマを見ているが)に見たがやはりゴニはいい。しかも完全尾。
沖縄諸島の諸離島のような派手さはないが、いぶし銀といった風貌のクロイワはなかなかカッコいいと思う。
もういっちょ。北部のクロイワはオビほどでは無い薄い横縞が入るのがチャームポイント。
因みにクロイワトカゲモドキのタイプ標本は名護産ということで本島内で亜種が分けられた場合、このやんばる個体群が新しく記載されることになるらしい。和名はヤンバルトカゲモドキかなぁ…
この周辺で数頭見られたので、「なんだ、寒くてもゴニ意外といるじゃん!」とこの時は思った。あとで勘違いだったと嫌というほど思い知らされる
しかしやはりというかなんというか、寒さゆえヘビはいなかった。深夜1時頃まで亡霊のように北北部をさまよったが、 何もいないため強い眠気を感じたので街に戻って寝た。
3/13
この日は日中何をしたんだっけ…
確かウフギー館に行こうとする→コロナで休館、萎える→名護のヤンバル食堂でごはん→快活CLUBでジョジョを読む、だったか。
名護のヤンバル食堂。オススメ。
あとこれを買った。
ゆいゆい国頭のやんばるかりゆし。
ぼくはご当地の生き物Tシャツが大好きで色々集めている(もちろんゆいゆい国頭のヤンバルテナガコガネTシャツも持ってる)がこれはかなりいい。
オシャレだし、襟付きだから日焼けも防止できるし。
イキリもの屋のみなさんはぜったい買いましょう。カラーバリエーションもいっぱいあるよ!
そして夜が来た(すぐこれだよ)。
やんばる最終夜だったので気合い入れて林道を流す。
…と、目の前に謎の飛翔体Xが!
オオコノハズクだと思うがどうでしょうか。
今日はなんだかいつもと違うぞ、と思いながら車を走らせていると目の前にカエルが現れた。
ド普通種
ちょい普通種
!?
いや、まじっすか…
路上で産卵期にオキナワイシカワガエルを見たのは初。
見渡すと路上のあちこちにぽつりぽつりと緑色の物体が…なんでこんなしこたまいるの…お前天然記念物じゃん(両爬に関してはやべーUMA以外は天然記念物が全然貴重じゃなかったりする)
奄美でも林道にオットンやアマミイシカワがぼとぼと落ちてて萎えたが、割とそれ以上にショックを受けた(個体数が多いのは喜ばしいことではあるが)。
ただ、何故かオキナワイシカワガエルはしこたまいたがホルストは1匹しかいなかった。逃げられたし。
本当に奇妙な夜だった。ヘビが一切居なかったことも含め。
3/14
この日の夕方のマリンライナーで渡嘉敷に行く予定だったので朝それなりに早くやんばるを出た。
南へ南へと向かい、途中のパーキングによって車を出ると突風がぼくを襲った。
いや…これ、、、、ヤバいんじゃないの?
急いで渡嘉敷村のHPへ。
マリンライナー、欠航。
…何も言うまい。
ゴーヤー入りハンバーガーで有名なjefへ行った。けっこうおいしかったです。
あととまりん近くの二郎インスパイアにも行った。うまかった。
もしかしたら沖縄は九州より二郎系が充実しているかもね。
…
やんばるは寒く、ハブをはじめヘビ類が全く見られなかった。
まあ、でもこの時期に見れる希少動物で唯一見てなかったリュウキュウコノハズクが見れたからいいかな。
あとはヤンテナとオキマルの特大個体を見れればやんばるの陸はコンプリートだけど、うん、厳しい…
何となく予想はしていたが、西表でハルちゃんと別れたためか、この先も天候に悩まされることになるのであった…
…
おまけ。
やんばるのロードキル防止啓発看板たち。
他にもあった気がするが写真はこれしか残っていない…
こういう看板の近くには生き物がいない、というのは通説?だが、今回の遠征ではオキナワイシカワガエルの看板の近くに本物がいたのでびっくりした。
過去のせいで色々と笑ってしまった看板。